いまから「雪出し」を行っているのが日本最高地点の横手山、その驚くべき理由!
2023.02.14
営業終了後、横手山第2ゲレンデでは2台のピステンを使って雪出しが行われていました。「え、2月前半でもう雪が足りないの?」と思ったあなた。そうではないんです❗
たしかに今シーズンは全国的にも昨年より雪の量は少ないと言われています。それにたとえば2月12日(日)13日(月)の気温は、驚くべきものでした。12日には、晴れていることもあり1,800mの陽坂で+5℃まで上昇。もしかすると標高の低いところでは2桁温度までいったスキー場もあったかもしれません…。
だからこそ、横手山・渋峠スキー場では今から準備しているのです。
第2ゲレンデは冬季閉鎖中の国道(迂回コースとしても利用)と隣接しているため、道路上の雪を削り出しています。そうすることでコースとして利用しやすく、削ったところにはまた雪が積もるんですね。
下の写真はほぼ同じ場所で撮影したものです。見比べてください。一つ目はコースを作ったように段差があり、もう一つはフラットになっています(進入禁止です)。段差は「雪を貯める」ために切り取られたものなのです。そして雪が降るとその段差が埋まって見事に雪が積もった状態に。こうして雪を意識的に貯めることを整備チーフは「雪をつくる」と説明します。横手山だからできるいわば<天然の増雪機方式>なんですね。


横手山は標高が高く、この写真のところで2,200m以上。雪質がよすぎて飛んでしまいます。そこで風の影響と木々の生え具合をみて「雪が積もりやすい場所=吹きだまり」を見つけ、雪を削り取るとまた段差が生まれてそこに雪が貯まります。これを繰り返すから<増雪機>というわけです。では貯めた雪はどうするのかというと…


積もりやすい場所があるということは飛んでしまう場所もあるということです。風が吹き抜けていくような場所では積雪がホンの少ししかありません(湿雪だと張りついてくれるんですがw)。こうした雪の薄い場所では今から予防措置的に雪を出していくのが一つ。もう一つは、GW以降を見据えて「雪の貯蓄」をしています。たとえば、渋峠ホテルの左右を探してみてください。すでに小山ができていることに気づくと思います。こうした場所をいくつも作っておくことで、横手山はGWを超え、6月を目指すことができるのです。
横手山でも、今シーズンはなかなか厳しいだろうと予想しています。整備チームはそのために上記のような<雪をつくる>作業以外にもさまざまな方法を考えているみたいです。「3月半ばまでもつかな」「GWは無理だろう」というような話が各地でチラホラ聞こえてきますが、横手山の視線は全く違います。春以降の雪遊びを考えているなら、絶対横手山、だと思いませんか?