HELP!プロジェクト裏話――なぜここにたどりついたかのちょっとしたエピソードについて①
2021.01.30
横手山・渋峠スキー場を運営するS&T観光開発の母体は、旅館業です。代表の斉須正男は、スキー好きの居候からはじまり志賀パレスホテルの支配人としてキャリアをスタート、スキーブームを迎えました。

金融機関から手腕を見込まれた斉須は、後に、現「一茶のこみち 美湯の宿」の再建を成功させます。次に再建を引き受けたのは、かつては自分が支配人として盛業だった「志賀パレスホテル」でした。
当時、横手山・渋峠スキー場も経営不振に陥っていました。ここで実感したのが「横手山・渋峠スキー場のようなマウンテンリゾートでは、スキー場とホテルは不可分な関係だ」ということです。ホテルは、スキー場がしっかりしてくれないと存続できません。また、ホテルが存続できなくなれば、スキー場の利用客数に直接響きます。
2つのホテルを再生させた斉須が横手山・渋峠スキー場の再建を引き受けたのは、このホテルとスキー場の関係を実感していたためです。そして「2307m、日本一の標高は地球温暖化のなか最後まで残るスキー場だ」と確信していたからです。先シーズン、オーナーが引退することになった志賀喜楽ホテル(現Hotel & Onsen 2307 Shigakogen)を急遽引き受けたのも同じ理由からでした。
スキー場の計画運休の発表が相次いでいます。運休するスキー場に隣接するホテルの営業ができなくなることを意味します。索道事業を継続するためのギリギリの苦渋の決断のはずです。
しかし、私たち2307グループが模索したのは、別の方法です。斉須の経験から、スキー場が営業を休止すれば宿が打撃を受ける。宿が営業をやめればスキー場はいずれ立ちゆかなくなるからです。リフト営業を休止する前にやれることはないか、と考えに考えて辿りついたのがこの「HELP!プロジェクト」でした。
ただ助けてください!と訴えるだけでは、たとえお客様が来てくださっても、一時凌ぎにしかなりません。「こんな時期だけど来てよかった、楽しかった。また来るね」と思っていただくにはどうしたらいいのか? 斉須や志賀パレスホテルを預かる高瀬敏行を中心に討議を重ねて急いでトライしたのが、自分たちがまず身を削って「どうか助けてください!」と訴える1泊朝食リフト1日券付「スーパーフラットプラン」であり「93プラン」による「HELP! プロジェクト」でした(もう一つ重要なポイントがあるのですがそれは次回に)
このプロジェクトで、地域のホテルとともに生き残りを計ることができるか、正直なところギリギリです。皆様がお越しくださらないと、他のスキー場と同様計画運休などの措置に追い込まれるかもしれません。それでも私たちは、このプランに賭けてみたいのです。索道事業はいわばマウンテンリゾートのインフラです。鉄道が止まれば街がさびれるように、索道が止まればホテル街は消えます。この絶景を維持したいのです。どうかご支援よろしくお願いします。

この続きは②に続きます(予定。諸事情でなかったことになるかも…)